美しい暮し1月号No.146
(大阪府暮しの情報誌)

くらしのニュース

SARS予防に備える
重症急性呼吸器症候群(SARS)対策を強化するため、改正感染症法が11月5日、施行された。今冬の再流行が懸念されている。

奨学金444億円が回収不能に
特殊法人「日本育英会」が経済的に就学困難な学生に貸与している奨学金事業で、少なくとも444億円が回収不能になる恐れがあると会計検査院が試算した。

「おれおれ詐欺」3807件
警察庁のまとめによると、孫や子どもを装って高齢者宅へ電話をかけ、金銭をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害は、1?10月で3807件、被害総額は22億6000万円にのぼることが分かった。

地上デジタル放送開始
関東、中京、近畿の3大都市圏の一部で、12月1日から地上デジタル放送が開始された。


くらしのセミナー

消費者が主役の社会をめざして

                 (財)関西消費者協会理事長 林  郁

政治家を選ぶ選挙に投票するのは成年に達した市民の義務です。個人として候補者をよく見て、個人として投票する、自立した市民の当然の行為です。国の将来や望ましい暮らしの在り方を考えて投票するように、私たちは日々の暮らしに必要な商品・サービスをお金で選んでいます。自立した消費者は市場でいい企業・良い商品を選ぶために日ごろからいろいろな情報を集め商品の選択に役立てています。これまで生鮮品を選ぶときは、鮮度、品質、値段が大事な条件でしたが、最近では安全性を第一に考える消費者が多くなり、産地や栽培過程などの情報を知って選ぶようになりました。このような変化を受けて、市場では消費者の意向をくみ取り生産されたものが、販売されるのが当然です。しかし、社会の仕組みは複雑で、さまざまな食い違いが起こります。消費者トラブルの原因の一つはここにあります。これまでトラブルを解消するために多彩な運動が各地で繰り広げられてきました。その経験は大切に次代にバトンタッチしていきたいものです。
その事例を二つご紹介しましょう。

1 カラーテレビの不買運動

昭和40年代半ば、カラーテレビの不当な二重価格やアメリカ市場での日本製カラーテレビが日本国内より安いことに疑問を持った消費者が、全国的にスクラムを組んで家電メーカーに値下げを求める運動を起しました。この求めに応じなかったので不買運動(当時は買い控えと表現)を全国的に展開、約1年後、家電メーカーは消費者に謝罪し価格を下げ、運動は終結しました。戦後初めて生産・流通にメスを入れた消費者運動として歴史に残るものです。

2 消費者の権利擁護の法律を求めた運動

平成に入って、消費者の権利を守る法律が次つぎに誕生しました。製造物責任法(平成7年施行)、情報公開法(平成13年施行)、消費者契約法(平成13年施行)などです。これらの法律は長い間、消費者・学者・弁護士などの法律家が成立を求めて運動を続けてきました。消費者被害に遭ってもなかなか救済されない古い法制度の改革のため、先進国の事例の調査や新しい法律制定を求める署名活動などが熱く続き、いくつかの法律が世にでました。粘り強い運動の成果です。

この二つの例のなかに消費者の役割の大切さがこめられています。一つは、暮らしのなかで誰もが感じる矛盾の掘り起こしです。値段設定への疑問や消費者になんの責任もないのに消費者被害が救済されないことへの疑問が運動の出発点になっています。二つめは、これらの疑問には感情だけではなく合理性があったことです。1では価格の公正さ、2では諸外国で実施されている消費者を守る法制度などを参考に疑問に応える道を合理的に見つけました。


主役をめざして、今できること

1.子どものころからの消費者教育を

全国の消費生活センターに寄せられる消費者トラブルの約70%は契約・解約に関するものです。ここには悪質業者の存在がありますが、一方安易に契約をする消費者の姿もあります。また気軽に自分の個人情報を他人に知らせる行動も目に付きます。社会生活に必要な基本知識を教えなければならないでしょう。小中高校をとおして体系的に教えるための教材も作られています(大阪府でも高校教師用のIT教材を作成中です)。しかし、一番大切なことは小さいときから自分を守る習慣を身につけることだと思います。

2.生活関連情報に注目を

消費生活を巡る状況は刻々変化していきます。たとえば、消費者契約法による裁判例から賃貸住宅退去時の敷金返還が入居者有利に変わりつつあります。また、規制緩和で生命保険に外資系が増え、テレビなどで契約を勧めています。これまでのものに比べ保険料が安いという情報の裏には保険金支払時の条件の厳しさがあります。契約は人任せではだめ、情報をよく読み、また読んでもらって100%納得してから契約という姿勢を守りましょう。分からないことを聞くのは恥ずかしいことではなく、きちんと説明できない事業者はいい事業者と言えないでしょう。

3.仲間を増やして社会に発言を

生活協同組合のスローガンに「一人の十歩より十人の一歩」があります。消費者行動に当てはめることができます。疑問を仲間と共有し、その解決をめざして一人でも多くの消費者が参加することが社会に影響を与えます。いま、国では暮らしに関わる法律制度の改変を計画しています。司法改革や消費者保護基本法の改正などがニュースになっていますが、静かに進行しています。消費者としてその論議に参加するために、あなたのまわりに同志を集める、同じ思いを持つ団体に入るなど社会に向けた行動を起こしましょう。

4.いい事業者の応援を

たべものへの不安が広がった昨年、大阪府では「食の安全の取組宣言」事業を始めました。大阪府がホームページを用意し、取組宣言事業に賛同した事業者が具体的な取り組み内容をホームページに掲載します。それを消費者が見て商品選択の一助にしようというものです。いい事業者がふえることが安全・安心な暮らしにつながります。始ったばかりで、賛同しているのは10社ほど、もっとたくさんの事業者が参加してほしいのですが、みなさんの関心が力になるはずです。消費者が力をあわせていい事業者を見いだし応援していきましょう。
(「食の安全の取組宣言」ホームページ http://www.safety-food.jp)

いい消費者が誠実な事業者・業界団体を育て、いい事業者は自立した消費者を育てます。お互いに切磋琢磨しながら、いい社会をつくっていこうではありませんか。あなたが主役です。


消費生活相談状況

「電話情報提供サービス」が再び増加

商品・役務

受付件数
10月 9月
1 電話情報提供サービス 302 225
2 フリーローン・サラ金 62 57
3 オンライン情報サービス 39 37
4 アクセサリー 24 13
5 資格講座 20 25
5 工事・建築 20 15
5 内職・副業 20 10
8 健康食品 17 18
9 浄水器 11 16
9 賃貸アパート 11 15
9 新聞 11 5

受 付 総 数

998 902

※ 10月受付件数上位9位までを掲載しているため、受付総数とは合致しない。

携帯電話によるアダルトサイト等の情報サイト利用料請求に関する電話情報提供サービスの件数が再び増加した。デート商法による若者のアクセサリーの契約・解約トラブルが目立つ。



トピックス

特定継続的役務提供の規制対象に
2役務を追加(パソコン教室・結婚相手紹介サービス)


近年、いわゆるパソコン教室および結婚相手紹介サービスについて、中途解約や勧誘方法に関する消費者トラブルが増加していることから、下記のとおり特定商取引に関する法律施行令が改正され、2役務が追加されました。

1. 電子計算機またはワードプロセッサーの操作に関する知識または技術の教授(いわゆるパソコン教室)
2. 結婚を希望する者への異性の紹介(いわゆる結婚相手紹介サービス)

◆2役務ともに、2カ月を超えて役務提供する契約で、5万円を超える金銭を支払う契約を対象とします。
◆役務提供事業者には、書面交付義務、不適正な勧誘行為(不実告知、威迫困惑行為)の禁止、クーリング・オフ、中途解約時の損害賠償額の制限等の規制が適用されます。
◆契約書面の受領から8日以内であれば、消費者は無条件で契約を解除(クーリング・オフ)できます。関連商品についてもクーリング・オフできます。
◆クーリング・オフ期間経過後も、消費者は理由の如何を問わず中途解約できます。(この場合、事業者が請求できる損害賠償額等は法令により一定額以内に制限されます)
◆施行日 平成16年1月1日

とれたて食情報

1月:葉ごぼう(若ごぼう)  大阪府農政室

葉ごぼうは普通のごぼうと違って、葉柄(軸)、根、さらには葉まで食べることができる特産野菜です。独特の香りとほろ苦さ、葉柄のさえた緑色に春を感じるという人も多く、大阪では主に八尾市内で栽培されています。地元では、一般に「若ごぼう」とも呼ばれていますが、矢のように芸術的に束ねて出荷されることから「やーごんぼ」とも呼ばれ、親しまれてきました。
ビタミンA・C、カルシウム、鉄分が多く含まれ、整腸作用や発がん抑制に効果があるといわれている食物繊維なども豊富で、健康増進に役立つ野菜です。
あくぬきをして、炒め煮やかき揚げにしたり、炊き込みご飯にしたりと料理法はさまざまです。1月下旬頃からハウス栽培の出荷がはじまり、3月からは露地栽培に切り替わって4月上旬まで出荷が続きます。これから旬を迎える野菜です。早春の香りを楽しんでみませんか。


トラブルNOW

「結婚相手紹介サービス」「パソコン教室」
申し込んだけど、解約できないかな???


<相談概要>
1.昨日、自分から結婚相談所に出向き、入会金と1年間の会費合計15万円を払い契約した。しかし契約後に渡された登録データの書類には私ばかりか両親、兄弟の詳細な個人情報も記入することになっていた。悪用されるのが心配なので入会を取り消したい。契約書にはクーリング・オフの説明があった。

2.コンピューター操作を習うためパソコンスクールと契約し、数回通学したところで勤務先の異動で通えなくなった。授業に不満はなくスクールからも教室の変更を勧められたが、仕事も忙しくなったので解約したい。契約期間は半年60時間で、費用19万5千円は全額支払い済みである。

<経緯、結果>
1.については自分から出向いて契約した場合でもクーリング・オフができるのでその通知方法を説明し、後日返金された。また事業者の申請により認定機関が審査の上、個人情報の取り扱いについて適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者としてプライバシーマークを付与される制度があることを情報提供した。2.については法律の中途解約規定に従って精算できるのでスクールに申し出るよう助言し、受講済みの授業料と解約損料を差し引いた額が返金された。

<解説>
1.2.のように一定の成果を約束せず、契約期間がある程度長期になるものは、準委任契約として当事者はいつでも将来に向かって解約ができ、相手方に不利な時期に解約することで損害を与えた場合には賠償する義務を負う、と民法に規定されています。しかしこの規定は強制力のない任意規定であり、損害賠償額についても当事者間で定めた額を裁判所は増減できないとされていますので、事業者が中途解約の禁止や高額の解約料を約款で一方的に定めても、消費者がそれを拒否することは難しく、多くの苦情が発生していました。そのため平成11年10月22日から、特定商取引に関する法律(旧訪問販売法)で、同法の政令で定めた契約期間と契約金額を超える語学教室、エステティックサロン、家庭教師、学習塾の4業種について概要書面・契約書面の交付、店舗契約のクーリング・オフ、中途解約および中途解約時の解約損料の上限等が義務付けられました。
平成16年1月1日からは、契約期間が2カ月を超え、契約金が5万円を超える「結婚相手紹介サービス」と「パソコン教室」が政令で追加指定されました。
クーリング・オフや中途解約ができるようになりましたが、まず契約する必要があるのか慎重に判断することが大切です。


お知らせ

第38回 大阪府消費者研究発表大会
大阪府内の消費者団体(21団体)が消費生活にかかわる問題について研究成果を発表します。多数のご来場をお待ちしています。 
テーマ: 「選ぶのはあなた!確かな情報」
と き: 平成16年2月21日(土) 13:00〜16:30(開場12:30)
ところ: ドーンセンター7階ホール(大阪市中央区大手前1丁目)京阪本線・地下鉄谷町線「天満橋」駅下車 徒歩5分
定 員: 500人 入場無料(当日参加自由)
問い合わせ先: 第38回大阪府消費者研究発表大会実行委員会事務局(財団法人 関西消費者協会TEL06−6945−1100)

金融・経済講演会
テーマ: 「世界から見た日本経済と私たちの暮らし」
講 師: 増永 嶺さん(金融広報中央委員会会長)
日 時: 平成16年1月26日(月) 14時開演(約1時間半)
場 所: 大阪銀行協会 大会議室
地下鉄谷町線・中央線「谷町4丁目」駅下車6号出口を上る
参加費: 無料
定 員: 先着150人(入場券を郵送)
申し込み方法: ハガキまたはFAXでお申し込みください。
「記載事項」 郵便番号・住所・氏名・電話番号
申し込み先: 〒530−8660 大阪市北区中之島2−1−45
日本銀行大阪支店内 大阪府金融広報委員会事務局
TEL 06−6206−7748 FAX 06−6233−6080
主 催: 大阪府金融広報委員会


「美しい暮し」1月号(NO.146)平成16年1月5日発行

ホームページ「消費生活事典」
http://www.pref.osaka.jp/shouhi/
 
消費生活相談06-6945-0999(月〜金)9:00〜17:00
消費者問題の専門家団体が実施する週末相談(年末年始除く10:00〜16:00)
土曜日 06-6366-0110(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
日曜日 06-6203-7684(社)全国消費生活相談員協会
 
 
「美しい暮し」1月号(NO.146)平成16年1月5日発行
■大阪府消費生活センター 〒540-6591 大阪市中央区大手前1-7-31(OMMビル) 06-6945-0711
■企画・編集:(財)関西消費者協会 06-6945-1100 ■デザイン・印刷:(株)ラグタイム
この情報誌は企画から印刷まで全てを外注して、作成しております。(毎月23,000部発行、1部あたりの単価は20円です) 古紙配合率100%の再生紙を使用しています。
美しい暮しは府内市町村窓口(消費生活センター、消費行政担当課)、府民情報プラザ(府税事務所)、府民健康プラザ(保健所)、公民館などに置いていますので、自由にお取りください。
郵送希望の方は80円切手をはり、あて名を明記した封筒(1年分12枚)を(財)関西消費者協会(〒540−6591 大阪市中央区大手前1−7−31 OMMビル)までお送りください。