美しい暮し9月号bP42 (大阪府暮しの情報誌)
くらしのニュース
入学金返還訴訟で初判断
京都地裁は7月16日、前納入学金・授業料の返還を求める訴訟で、授業料だけでなく入学金の返還も命じた。返還を求められた大学側は17日、控訴した。
改正保険業法成立
生命保険会社が契約者に約束した運用利回り(予定利率)を破たん前に引き下げることができる。7月18日成立。8月24日施行。
国民年金の納付率は過去最低
社会保険庁によると、02年度の国民年金の納付率は、前年より8.1ポイント悪化し、過去最低の62.8%となった。特に20歳代の未納率は50%を超えた。大阪府の納付率は53.3%で全国ワースト2位。
少子化社会対策基本法成立
急速に進む少子化対策として、雇用環境の整備や保育サービス等の充実、国や自治体による不妊治療の支援などが盛り込まれている。7月23日成立。公布から6カ月以内に施行される。
ヤミ金融対策関連法(出資法、貸金業規制法改正)成立
無登録営業や高金利の貸し付けに対し罰則を強化。暴力団関係者らの貸金業登録を拒否できる。年利109.5%を超える契約は無効。7月25日成立。一部は9月1日に施行。
消費者保護基本法見直しへ
政府は7月22日の「第35回消費者保護会議」で、国民生活審議会消費者政策部会の報告「21世紀型の消費者政策の在り方について」に基づき、▼ 消費者保護基本法の見直し ▼公益通報者保護制度の整備 ▼消費者団体訴訟制度の導入 ▼消費者保護会議の改革―などを決定した。
 
くらしのセミナー
高齢者の消費者トラブルを防ぐために
弁護士 三木 秀夫
高齢者被害が多発しています――
ここ数年、高齢者の相談が急増しています。被害額が他の年齢層に比べて高額で、また、一人の高齢者に業者が次々と販売する、いわゆる「次々販売」も増えています。高齢者、特に年金で生活をしている方が経済的被害を受けると、ダメージが大きく深刻な結果にもなっています。
背景や特徴
高齢者は、一般に自宅にいることが多く、突然の業者の訪問を受けやすくなっています。最近は核家族化で、一人暮らしのケースが多いため、身近に相談できる人がいないことも、被害を受けやすい原因になっています。高齢者でトラブルの多いものとしては、ふとん類や着物などの商品の販売、屋根や増改築などの工事関係、床下換気扇などの住宅管理設備、紳士録・名簿などが上位に挙げられています。高齢者本人がだまされていることに気づかず、家族からの相談が多いのも特徴といえます。
勧誘の手口はさまざまで、粗品を配るなどして特設会場に誘い、日用品などを配って高齢者の心を引き付け、最後に高額なふとんや磁気マットレスなどの購入を強引に勧めるSF(催眠)商法、無料で屋根の点検をするという業者が訪問して強引に契約を押しつける点検商法、紳士録に名前を載せるといって高額な請求を行う紳士録商法、金融商品を「絶対もうかる」としつこく勧誘する利殖商法など、後を絶ちません。
 
実例と対策
まずはクーリング・オフを活用してください。
訪問販売や電話勧誘、催眠商法での契約は、契約日を含めて8日以内であれば、契約を解除することができます。この場合の期間の開始日ですが、法律で定められた契約書面が交付された日から起算しますので、たとえ口頭で契約してから8日が過ぎていてもあきらめないでください。
 
この期間の件で、裁判になったケースがあります。
軽い痴呆(ちほう)が出始めていたAさん(84歳女性)のところへ、業者が訪問し、屋根工事を勧誘し、費用は300万円だが広告見本にするので175万円にすると説明したため、Aさんは工事代金支払い確認書に署名押印しました。工事が始まってからAさんの息子さんがこれを知って業者に中止を求めましたが拒否されたため、契約から8日を過ぎていましたが、Aさんは内容証明郵便で解除の通知を出しました。しかし、業者はこれを不服とし、支払いを求めて裁判を起こしました。この事案で、裁判所は、契約時にAさんに渡された書面が、販売価格や支払い時期、商品の数量などの記載がないなど法律所定の書面の交付といえなかったことから、クーリング・オフの期間は進行していないとして、解除を有効とし、業者の請求を棄却しました。(東京地裁判決/平成7年8月31日)
 
消費者契約法も大きな武器になります。
平成13年4月に施行されたこの法律では、重要な点について事実と異なることを告げられたり、不利益となる事実をわざと告げられなかったり、「絶対もうかる」などの不確実なことを断定的に言われたりしたときには、誤認によるものとして契約を取り消せます。また、家から帰ってほしいと言ったのに帰らないとか、勧誘場所から帰りたいと言ったのに帰らせてくれず、仕方なく契約してしまった場合も、困惑によるものとして取り消せます。さらに、高額な解約違約金を取るなど、消費者側に一方的に不利益な契約条項も無効となります。先ほどの判例のような事案でも、この法律ができた今では、契約時の説明に虚偽があれば、取り消しができるようになりました。
 
成年後見制度の活用を
高齢で、判断力に少し不安があり、被害にあう危険がある場合は、その人を保護する制度として平成12年4月から始まった成年後見制度があります。その人の状態に応じて、後見・保佐・補助という種類があり、家庭裁判所が後見人・保佐人・補助人を選任し、いざというときに契約の取り消しなどで本人を守ることができます。後見は、判断能力を欠く常況にある人、例えば意識不明や著しい痴呆状態、重度の知的障害や精神障害のある人が対象です。保佐は、痴呆や知的・精神障害などで判断能力が「著しく不十分」な人。補助は、軽い痴呆や知的・精神障害などで判断能力が「不十分」な人が対象となります。実例ですが、判断能力がやや劣ってきている一人暮らしのBさん(70歳女性)は、よく訪問販売員が来て高価なふとんや家庭用品などを次々に買わされるため、家庭裁判所に申し立てをして、別居している娘さんを補助人に選任してもらいました。そのときに、10万円以上の購入契約をするときは、補助人の同意を必要との決定も得たので、それ以後は、Bさんが娘さんの同意がないのに交わした高額な購入契約は、いつでも取り消しができるようになり、今では安心して生活しています。こうした制度を積極的に活用してはどうでしょうか。
詳しくは、消費生活センターや、大阪弁護士会(高齢者障害者総合支援センター「ひまわり」電話0 6 - 6 3 6 4 - 1 2 5 1 )などへご相談ください。
 
 
消費費生活相談状況(大阪府消費生活センター)

「電話情報提供サービス」に関する相談がさらに増加 
相談件数全体の約4分の1に

■平成15年6月の特徴

前月より相談件数は83件増加、割合にして9.3%増加した。電話情報提供サービスに関する相談がさらに増加し、相談件数全体の約4分に1を占める。フリーローン・サラ金の相談も相変わらず上位である。内職あっせんを口実に資格講座の契約をさせるトラブルや資格商法の二次被害が目立つ。

商品・役務

受付件数
6月 5月
1 電話情報提供サービス 233 177
2 フリーローン・サラ金 77 73
3 資格講座 37 22
4 賃貸アパート 35 41
5 工事・建築 29 30
6 浄水器 22 24
6 クリーニング 22 12
8 自動車
21 14
9 アクセサリー 17 20
10 布団類 15 4

受 付 総 数

966 883

※6月受付件数上位10位までを掲載しているため、受付総数とは合致しない。

トピックス
一緒に考えてみませんか?
シンポジウムを開催します
みんなで考えよう!食の安全・安心
 
健康で安心のできる食生活の実現を図るため、「食の安全・安心」について考えるシンポジウムを開催します。
基調講演「食の安全の確保のために〜アメリカのトレーサビリティの現状〜」
講師 平松由美さん(ジャーナリスト)
○パネルディスカッション「食の信頼を回復するために」
コーディネーター:中村靖彦さん(元NHK解説委員)
パネリスト:平松由美さん、生産関係者、流通関係者など
※アナライザーシステム(ボタン式アンケート)により、来場者の方約50人に、消費者の立場でディスカッションに参加していただきます。
●日時‥‥9月25日(木)13:30〜(13:00開場)
●定員‥‥500人(参加費無料)
●場  所‥‥ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)
大阪市中央区大手前1-3-49
地下鉄谷町線・京阪本線「天満橋」駅下車@番出口から東へ約5分
●応募方法‥‥往復ハガキまたはFAXに、食の安全・安心シンポジウム参加希望と明記の上、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号(FAX応募の方はFAX番号も記入)し、9月16日(火)〈必着〉までにお申し込みください(応募多数の場合は抽選)。
●申し込み先‥‥〒540-8570(住所不要)府食の安全推進課 シンポジウム係
FAX 06-6229-2556 食の安全・安心シンポジウム係
●問い合わせ‥‥府食の安全推進課 TEL 06 - 6941- 0351(代表)
ホームページ http://www.pref.osaka.jp/shokuhin/anzen/
●主  催‥‥大阪府、食の安全・安心大阪府民会議
 
とれたて食情報
9月:さといも
大阪府農政室
 
原産地は南アジアを中心とした熱帯地方といわれ、日本へは縄文または弥生時代の初期に中国から渡来したと考えられています。古くは万葉集などにもその記載があり、その伝来は稲よりも古いといわれています。府内では泉州地域や南河内地域が主産地で、さといもの一品種「石川早生(いしかわわせ)」は旧石川村(南河内郡河南町)で生まれた品種です。
きめが細かく、丸くて形の良い芋は、中秋の名月になくてはならないもので、煮物にしてお月様に供えます。また、親芋の周りにたくさんの子芋ができることから子孫繁栄の象徴としてお正月などの縁起物としても用いられます。なお、月見は平安時代に、遣唐使によって伝えられた「望月」という中国の古い行事がもとになったという説があります。
さといもをさわると、手がかゆくなるからと敬遠されている方は、手に塩や酢を付けて皮をむくとかゆくなりません。さといもには、デンプンだけでなく、ビタミンB1、B2、また食物繊維も多く含まれています。今年の中秋の名月には、ぜひ、さといもを登場させてみてください。
 
  
 
トラブルNOW
強引に勧誘されて3年間の新聞購読契約をしたところ引っ越すことに……もらった景品の一部は使ってしまったが、解約したい
 
 
 
相談概要
購読している新聞とは別の新聞の勧誘員が自宅に訪れ、「景品として洗剤3箱と1万円の商品券を付けるので、3年間の購読契約をしてほしい」と言われた。以前からずっと同じ新聞を読んでいるので別の新聞をとる気はないと断り、「帰ってください」と言ったが、なかなか帰ろうとしない。「1年先からの契約でもいいから」と強引に勧誘され、契約してしまった。1カ月後、夫の転勤が決まって引っ越すことになったので解約を申し出たところ、「解約できない。どうしても解約したいのなら景品を返せ」と言われたが、洗剤を一部使ってしまった。どうしたら解約できるか。
 
 
経緯・結果
新聞の訪問販売は特定商取引法の規制を受けるので、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフ(無条件解約)ができるが、相談時には、契約日から1カ月経過していた。そこで、勧誘されたときに、勧誘員に対し帰ってほしいと言ったにもかかわらず、帰ってくれないので困惑して契約したことを理由に、消費者契約法に基づく契約の取り消し通知を内容証明郵便で出すように助言した。その後センターが業者と交渉した結果、残っている景品を業者に返して解約することで合意した。
 
解  説
景品を付けるからと勧誘されて長期間の新聞購読の契約をしたが、期間途中で解約を申し出たところ、解約を拒否されるというトラブルが多発しています。新聞購読契約の際の景品については、「新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」で6カ月分の購読料の8%(約2千円)が上限とされています。しかし、それ以上の景品を提供し、長期間の契約をさせる場合が多いようです。景品の額が多ければ多いほど、解約時にトラブルが発生しやすいようです。転勤による転居など、やむをえない事情により期間途中で解約を申し出ざるをえない場合も生じます。そのような場合に、事業者が解約を拒否したり、景品の返還を求めることは問題があるといえます。販売店が言うとおりに景品を返還する必要はありませんが、一般的に、解約を申し出る方は、相手方が被る実損額を解約料として支払わなければなりません。この事例の場合は、消費者契約法による取り消しを主張することができますが、残っている景品があれば、返還する方がトラブルが少ないようです。景品を全部使用してしまった場合は、妥当な解約料について業者と話し合う必要がありますが、景品の上限額を目安とするのも一つの方法でしょう。契約をすると、契約期間を守らなければならないのが原則です。契約時には契約期間を確認することが重要です。景品につられて安易に長期間の契約をしないように注意しましょう。
 
 
お知らせ
INFORMATION
 
消費者問題講演会9・17(水)午後2時〜午後4時
テーマ「あなたも狙われている
〜センターにおける相談事例あれこれ〜」
講 師(財)関西消費者協会 白崎夕起子(相談担当)
講 師(財)関西消費者協会 宮本  弘子(テスト担当)
受講料無料
定 員70人
先着順、定員になり次第締め切ります
開催場所生活情報ぷらざ(大阪府消費生活センター)セミナー室
大阪市中央区大手前1−7−31
OMMビル1階(京阪・地下鉄谷町線「天満橋」駅下車 @番出口すぐ)
申し込み(財)関西消費者協会 TEL 06-6945-1100 FAX 06-6945-1108 問い合わせ先(財)関西消費者協会 E-mail kanshoky@mbox.mydome.or.jp
(財)関西消費者協会 ホームページhttp://www.mydome.or.jp/kanshokyo
 
 
金融・経済講演会10 16(木)午後2時開演(約1時間半)
テーマ「どうなる? 私たちの暮らしと経済」
講  師齋藤 精一郎さん(立教大学社会学部教授)
場  所ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)
地下鉄谷町線・京阪本線「天満橋」駅下車 @番出口から東へ徒歩約5分
申し込み方法ハガキまたはFAXでお申し込みください。(記載事項:@郵便番号 A住所 B氏名 C電話番号)
申し込み先〒530-8660 大阪市北区中之島2 -1- 45
日本銀行大阪支店内 大阪府金融広報委員会事務局 TEL 06-6206-7748 FAX 06-6233-6080
主  催大阪府金融広報委員会
参加費無料
先   着500人
入場券を郵送します
 
ご注意!
住民票コードは他人に教えないでください
昨年稼働した住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)は、本年8月25日から第二次サービスを開始し、住民票の写しの広域交付が受けられるなど、さらに便利になります。住基ネットの運用開始にあたっては、昨年8月にお住まいの市町村から住民票コードが通知されましたが、この住民票コードは法律で定められた行政手続きのみに必要となる番号であり、民間において利用することはできません。万一、民間事業者などからコードを教えるように言われても、絶対に教えないでください。また、そのような行為を見かけたら、府または市町村にご一報ください。
◆問い合わせ  
市町村課TEL 06-6941-0351(代表)
 
ホームページ「消費生活事典」
http://www.pref.osaka.jp/shouhi/
 
消費生活相談06-6945-0999(月〜金)9:00〜17:00
消費者問題の専門家団体が実施する週末相談(年末年始除く10:00〜16:00)
土曜日 06-6366-0110(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
日曜日 06-6203-7684(社)全国消費生活相談員協会
 
 
 
「美しい暮し」9月号(NO.142)平成15年9月1日発行
■大阪府消費生活センター 〒540-6591 大阪市中央区大手前1-7-31(OMMビル) 06-6945-0711
■企画・編集:(財)関西消費者協会 06-6945-1100 ■デザイン・印刷:(株)ラグタイム
この情報誌は企画から印刷まで全てを外注して、作成しております。(毎月23,000部発行、1部あたりの単価は20円です) 古紙配合率100%の再生紙を使用しています。
美しい暮しは府内市町村窓口(消費生活センター、消費行政担当課)、府民情報プラザ(府税事務所)、府民健康プラザ(保健所)、公民館などに置いていますので、自由にお取りください。
郵送希望の方は80円切手をはり、あて名を明記した封筒(1年分12枚)を(財)関西消費者協会(〒540−6591 大阪市中央区大手前1−7−31 OMMビル)までお送りください。