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関西消費者協会
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3年間お世話になった「関西消費者協会」を去ることになりました。
この間、もっとも印象深かったのは「消費者情報」の特集「多重債務」でした。単純な「借金問題」ではない奥深さを痛感させられました。なかでも2つの取材の生々しさが脳裏に焼き付いています。

ひとつは生田武志さん、ありむら潜さんと歩いた釜ヶ崎(大阪市西成区 あいりん地区)。それまで一度も足を踏み入れなかったわけではありません。天王寺・新世界・天下茶屋などは若いうちからほっつき歩いていましたし、なんども騒動・騒乱を目撃もしていました。ところが「多重債務・貧困」などをテーマにして、「仕事の目」をもって訪れると、それまでの視座が飛んでしまい、現代社会の醜悪な本質が背中に乗りかかってくるような感覚をもったのです。

記者自身、釜ヶ崎に住んでいても不思議ではない人生を経験してきました。幸運にも手をさしのべてくる人たちがいて、ここまで生きてこられたのです。釜ヶ崎にも多くの支援団体やボランティア、行政からも手がさしのべられているのですが、それでも何かが違うのです。ひとことで言い表せる言葉はみつかりません。もっと多くのものを見、もっと大勢の生の声を聞く必要があるでしょう。ことあるごとに数多くのメディアが釜ヶ崎の状況を伝え、そして事実と本質を伝えきれずに撤退していきました。今後も同じことが繰り返されるでしょう。

残るひとつはJR大和路線(関西線)「八尾・安中踏切」で起きた老人3人の飛び込み自殺現場を訪れたことです。事件発生から丸3年経ったお盆の午後3時ごろから6時前まで、亡くなった3人の残像を追いかけました。プロカメラマンである〈夷三郎〉子との同行取材です。現場には小さな古びた数珠と、数日前に捧げられたと思われる萎れかけの仏花がありました。交通事故現場にあるような、ある意味ありふれた光景です。老人3人は夫婦とその兄でした。生活費としてヤミ金から1万5千円を借り、その返済が滞ったため執拗な催促を受けていました。追いつめられた3人は夜半、自宅から3㎞近く歩いて現場までやってきたといいます。午前0時すぎ安中踏切を通過した最終電車が3人の命を奪っていきました。
どんなに過去の事実であっても、それを知った上で現場を訪れると、わずかながらに残された痕跡が当時を想起させます。周囲の日常と3年前の惨状がオーバーラップして、亡くなった3人の想念が漂っているように感じられました。踏切の上を飛んでいたアカトンボと、うなだれたようなヒマワリの花が今でもまざまざと目に浮かんできます。

2つの印象的な取材テーマは、心に深く刻み込まれました。ライフワークになるかどうかは別にして、どのようなときでも忘れてはいけないと思っています。底流にある社会の本質に食いついていく覚悟も必要でしょう。
最後に、取材活動を通じてたくさんの人に出会うことができました。取材後もいろんなかたちでご協力いただいた人もいらっしゃいます。それぞれの人たちからいただいたメッセージを、これからの仕事や人生に生かしていけたらいいなと思っています。さて、新たにどんな人たちと出会えることでしょうか。
(和泉次郎)


| 編集部内輪話 | 09:10 AM | comments (0) | trackback (0) |










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