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悲しいイス
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 写真はわが家の浴室介護用イス。卒寿を超えた父親が入浴サービスを受けるときに使用するものだ。つい3年前までは、自力で浴室へ行き、50センチはある浴槽の縁をまたぎ、湯から上がるときも自分であがってきた。
 それがあるとき、浴槽から立ち上がれなくなり、人に助けられたくない頑固さが仇となって、1時間も浸かったまま「ウン、ウン」唸り声を立てながら、まさに”ゆでガエル”状態。それからヘルパーさんの介助が必要になってしまった。以来3年が経ち、今では浴室に向かうときも、引き立てられる囚人のように両側から介助され、体を洗うこともヘルパーさん頼み。
 それに伴って、浴室用のイスも三代目に変わった。それでなくとも狭い浴室、洗面室が雑然となり、まだ健常者の記者は困っている。

 加齢という現象は、人の体力と同時に自尊心や自立心をも奪っていく。朝、顔も洗わず、ろくに食事も摂ろうとせず、自分が何をすればよいのかも分からず、女房やヘルパーの指示待ち人間になってしまった父親は、すでに”人間の領域”をはみだしている。長寿であることが社会から祝福される時代は過ぎ去った。

 次のイスがどのような形に変化していくのか、予測がつかないが、イスの変化を見るにつけ理由のない悲しみが湧いてくる。
(和泉次郎)

| 雑誌版記事ダイジェスト | 03:24 PM | comments (0) | trackback (0) |










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